LAWSON presents TrySail Live 2017 Harbor × Arena in YOKOHAMA

感想

これまでパシフィコ横浜や東京国際フォーラムホールAのような5000人規模のホールでのライブを行ってきたTrySailが、今回は規模を一気に拡大し横浜と神戸、二つの港町にあるアリーナ会場でライブを開催。TrySail単独としては過去最大規模となるものである。

各所のメディアでレポートが公開され、どこがネタバレしちゃいけないところなのかも大体つかめてきたので、神戸公演に参加する皆様の興をそがないよう配慮しつつ感想を書いていきたい。

ステージ配置はメインステージから花道を通ってセンターステージという、アリーナクラスではよくある構成。これに加えて帆船を模したトロッコによる演出もあり、広い会場であるにもかかわらず、これまででいちばん近くでその姿を見ることができた。

開幕から5曲を畳み掛けるように歌い、センターステージやトロッコも早速使って広い会場を所せましと駆け巡っていた。「もちょ」こと麻倉ももさんが「リハーサルのすっからかん(お客さんが入っていない状態)ではすっごく広い会場だと思っていたけど、みなさんがいると狭いですね」といったようなことを冒頭のMCで言っていて、大会場であることのプレッシャーや緊張といったものは全く感じられない楽しそうな姿を見せてくれた。

続くソロコーナーではもちょが『トクベツいちばん!!』を、「ナンス」こと夏川椎菜さんが『グレープフルーツムーン』を、「天ちゃん」こと雨宮天さんがCD未発売の新曲『irodori』を披露。

『トクベツいちばん!!』は振り付けがかわいくて、もちょのキュートな魅力が炸裂する一曲。惜しむらくは、当日の席が花道横で、センターステージで歌うもちょを背中でしか見られなかったことであるが、目の前の花道にバミりがあったのかよくもちょが立ち止まってくれたので、私をノックアウトするのはその短時間で十分すぎるほどであった。

『グレープフルーツムーン』はクラムボンのミトさんが作曲を手がけた楽曲で、幻想的で明るい雰囲気の中にもどこか切なさを感じさせる独特の雰囲気が印象的。そして最近前髪を伸ばしておでこを全開にしたナンスが本当にかわいかった。髪型を変えたことに多分そこまで大きな意味はないのだろうけど、眉が隠れるくらいあった前髪を分けたのは、ソロデビューをしたことによって自分に自信が持てたことも何か影響しているのかもしれないな、と。

『irodori』はこれまでの天ちゃんのイメージとはうって変わってコンセプトカラーを赤にし、ジャズ歌謡風のサウンドで攻めた挑戦的な一曲。思わず身体が動き出すようなダンサブルで情熱的な雰囲気で楽しかった。それでも「赤に魂を売ったわけではない」とのことで、青が好きなことは変わっていない様子。

その後は『コバルト』『High Free Spirits』といった定番曲を含む怒涛のセトリで畳み掛けていく。特に『adrenaline!!!』から『Baby My Step』の流れでは飛び跳ねすぎて私の脚にはかなりの負担がかかっていたし、TrySailの三人も激しい振り付けの連続で相当負荷がかかっていただろうけど、もはや演者も観客もアドレナリンがドバドバ出て、痛みすら忘れて楽しんでいたに違いない。

アンコールでは、発売が決定した2ndアルバムの表題曲『TAIL WIND』を披露。ついに大海原へと出航するTrySailの新たな旅立ちを予感させる一曲で、『Sail Out』や『BraveSail』から続いている物語であるようにも感じた。

最後のMCで天ちゃんが「私は臆病だけど、ステージに立つと『TrySailにはこんなにたくさんの仲間がいるんだ!』って勇気づけられる」というようなことを誇らしげな笑顔で語っていたのがとても印象に残った。もちょもナンスも、ファンへの感謝の気持ちをまっすぐな言葉で語っていて、温かい雰囲気に包まれたフィナーレであった。

ステージで躍動する三人は本当に楽しそうだったし、最後はやりきったような爽やかな表情をしていた。パフォーマンスはこれまで観てきた中でも本当に最高のものだったし、この時点の全力だったのだろうし、観ていた私も過去最高に楽しかった。
でも、出し惜しみしてたでしょ?と悪態をつく意味では全くなく、「TrySail、まだまだこんなもんじゃねえだろ」とも思わせてくれた。まだ神戸が残ってはいるものの、初のアリーナ公演がここまで良いものになったのだったら、まだまだTrySailは上を目指せるような期待を持たずにはいられないのだった。

感想をツイートする

イベンターノートとあなたのカレンダーを今すぐ連携

Twitterにツイートする

ツイートしました

閉じる