東山奈央 1st LIVE“ Rainbow” at 日本武道館

感想

特別な日だった2012年2月12日。
溢れるほどの涙とともに、事の終わりを感じ、楽しくもあり寂しくもあり辛くもあった2014年2月22日。
それから時を経て2017年2月12日、東山奈央さんのソロデビューイベント。


話を脱線させると、自分は東山奈央さんという声優をどのくらい好きなんだろうとRibbon Illusionが終わった後に思ったけど、結論としてはその頃はわからなかった。
中川かのん starring 東山奈央でなければここまでかのんちゃんの好きの大きさが大きくならなかったことは確実で、それでいてもあの頃は東山さんのイベントに行くことはなかったし、色んなアニメを見ていてもあまり心に刺さる事がなかった。

まあでも徐々に変わっていって、今までは苦手と感じていたコンテンツとかも見られるように、聞けるようになって、東山奈央さんの演じる色々なキャラクターやう色々キャラソン、そして彼女自身の演技に興味が自然と沸いてきた。
そうなるまで結局数年かかったが、それ故にとても良い状況でのソロデビューの発表だった。

自分が当時東山奈央さんの音楽に期待していたことはただ1つ。
彼女にしか出せない色々な色を出していって欲しいこと。
それがまさに形となったアルバムがRainbowだった。

デビューから約半年が経ち、迎えたアニサマ。
1stライブが武道館であることが発表され、まあ第一の感想としては驚きしかなかった。
それでも色々考えていくと、1年間でたどり着いた武道館ではない、8年間でたどり着いた武道館なのだと思った。


ひとりきりじゃ辿り着けない景色、それが8年間での武道館。


2ndコンサートで、彼女はかのんちゃんになれなかったと言った。
でも、かのんちゃんと同じ星にはならなくていいと気づいたと言った。
これからきっと色んな方に恩返しをしていきますと宣言した。
何でもいいから頼るすべが欲しくなったときは、私がいます、かのんちゃんがいます、ずっとずっと一緒です、と力強い言葉を発してくれた。

あれから約4年。
かのんちゃんはみんなの中にいて、ずっとずっと一緒だったと思う。


そろそろ武道館の話に戻りますが、ここではただあのアンコールのことを記録に残したい。
というかアンコールで本編の記憶がどっかに飛んでいったので、ライブBDが発売されて早く思い出したいです。

少しだけ書くと、本編で歌われた、Rainbowの見上げた2つの星、その1つの星はまぎれもなく中川かのんで、彼女自身の1stライブでありつつ中川かのんへの最大限の感謝が詰まったパフォーマンスであったと超個人的に感じていた。
だからこそ、Rainbowの2つの星の部分では思わず武道館の天井を見上げ、その天井の向こうにある2つの星を眺めていました。

本編が終わりアンコール。
正直言うと、この1stライブで中川かのんの曲を歌って欲しいいと100%思っていたかといわれるとそうではないし、やっぱり、中川かのんはなんというか他とは違う、生半可に扱えないキャラクターであるから。


アンコール明けに現れたバックの映像は、中川かのんがアイドルからスタァとなったその舞台そのまま。
そして流れてくるらぶこーる。
膝に抱えていたコートを床に叩きつけ、文字通り頭を抱えた。
暗闇から現れた彼女はいつもの黄色いリボンを着けていた。
中川かのんが武道館に立った瞬間であった。
たぶんBメロぐらいまで硬直していて、曲中はステージ上を見つめていた。
4年間味わっていなかった感覚が体中を巡り、ただただ神経をステージ上に集中させ、らぶこーるを聞いていた。

らぶこーるを歌い終わり、アニメ通りにスカートを投げ捨てる中川かのん。
このハッピークレセントの景色は言葉にはし難い景色だった。

これが、これが8年間の武道館の景色なのだと。
2012年2月12日も、2014年2月22にも、彼女の表現に無限の可能性を感じた。
2018年2月3日も同じくそういう日になった。
一足先にスタァになった彼女を演じることが、彼女の歌を歌うことが精一杯出会った彼女が、中川かのんという存在を武道館に立たせることができた。

らぶこーるではサイリウムを振っている観客が多かったし、ハッピークレセントでの名前コールもあまりいないように感じた。
でも、それはいい意味での時代の流れだと思う。
4年間経って、東山奈央という声優があの頃よりもとてつもなく大きな存在になっており、それ故に武道館で1stライブができるという事の証明でもある。

だからこそ、ハッピークレセントを歌い終わった彼女が、短い時間だが神のみぞ知るセカイと中川かのんについて話してくれたことが嬉しかった。
少しでも多くの人に中川かのんという存在が大切でかけがえ無い存在だという事が伝われば嬉しい。


そして、MCの終わりに彼女は黄色いリボンを外した。
8年間の物語がここ、日本武道館で幕を閉じたと感じた。
自分自身がアニメの中で立った鳴沢臨海ホール、なるりん制圧を果たして彼女自身がスタァになった。
確かにそこには2つの輝く星が見えた。

8年間のこの物語は、すごくすごく長い道のりのようで、それでいてあっと言う間にも感じて。
この瞬間は、嬉しくもあり、幸せであり、感謝もあり、それでいて悲しさ、寂しさ、切なさ。
いくつもの感情が襲ってきて、不思議と涙は余り流れてこなかった。
なにか、そういう涙を流すこととは別の次元の体験を、初めてしていたのかもしれない。
だからこそ、いつもは使うエモいという言葉が全くふさわしくないし、そんな3文字では何も足りないほどの感情だった。


最後に、中川かのんの生みの親、若木民喜先生のツイートを。
https://twitter.com/angelfrench/status/959773297888997377
「かのんちゃんになれなかった」と泣いた東山さんが、東山奈央としてかのんの夢を叶えた。何かが前に進み、何かが終わる。嬉しくて、少し寂しい。そんな気持ち。東山さんありがとう。

このツイートにライブが終わった後の全ての気持ちが詰まっていた。
さすが生みの親だなあ。



ありがとう、東山奈央さん。
気は早いけど2ndライブも楽しみ。



ありがとう、中川かのんちゃん。
虹の先でまた会おうね。

感想をツイートする

イベンターノートとあなたのカレンダーを今すぐ連携

Twitterにツイートする

ツイートしました

閉じる