Lantis presents 深窓音楽演奏会 其ノ五

感想

ランティス主催のスリーマンイベント。
Chouchoやfhánaはこれまで多数出演しているけど、nano.RIPEは久しぶりの出演となり、私個人としてもnano.RIPEのライブを見るのは2014年以来だったので、とても楽しみにしていた。

nano.RIPE。一曲目の『面影ワープ』でいきなり涙腺が緩む。
定番のタイアップ曲で組んだセトリで、私みたいな浅いファンにも優しいセットリストであった。
私はnano.RIPEの曲に懐かしさというか、郷愁を感じるので、『面影ワープ』とか『こだまことだま』みたいな曲にはめっぽう弱い。『リアルワールド』でタオルを振り回すのも楽しいし、『ハナノイロ』はやっぱり名曲だよなーと。

MCできみコさんが、「久しぶりに観たって人もいるだろうし、これからまたしばらく会えないひともいるだろうけど、ライブハウスに来られなかったり、逆にバンド側の都合でライブができない時でも、再生ボタンを押せばnano.RIPEの曲が聴ける、そういう状態を作るために私たちは歌っている。そして、今生きてる私たちをちゃんと見ていってほしい(要旨)」というようなことをおっしゃっていて、これが今の私にはとても深く刺さった。

ライブが開催されること、そしてそれに参加できること、それは決して「当たり前」なんかじゃないわけで。
だからこそ、オタクとしての義務感あるいは使命感でライブに行くのも、ライブに行けないからって罪悪感や後ろめたさを感じることもきっと違うのではないかと。

世の中のトレンドがモノ消費からコト消費に移り変わって、ライブという体験が今盛んに消費されているけども、今ここで生の音楽にたくさん触れられていることは決して当たり前のことじゃないんだ、と改めて思い直したと同時に、今後も、自分が楽しむためにライブに行く、っていう基本だけは忘れないようにしたいと思った。

fhánaのセットリストは、かなり攻めた内容であった。

ユーレカ
Rebuilt world
Do you realize?
little secret magic
World Atlas
青空のラプソディ

一応タイアップ曲は2曲あるのだけど、『Do you realize?』はゲームのテーマソングということもあり、『青空のラプソディ』以外は初めて聴いた、なんていうお客さんも結構多かったのではないかと。

フェスでここまで攻めたセトリを組んだことに対して批判的な意見も会場で耳にしたけども、divineとか星屑のインターリュードとかの定番やっておけば確かに盛り上がるけど、有名曲をここでやってもなんというか単独ライブ(というかこの後に控えていたツアー)に誘導しづらいように思うので、ここで最新アルバム中心のセトリを組んだのは明確な戦略があってのことだったんじゃないかと。fhánaというバンドは固定的な音楽性はあまり強くなくて、その時々に合わせて曲の雰囲気が変わっていってるので、このセットリストこそが「今のfhána」である、っていうのは、メンバーのインタビューなんかを読んでいても感じられるのだ。
fhánaのこのいい意味で「媚びない」(Penguin Researchのジョンさんの言葉を借りるならば)姿勢が、私は好きなのである。

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