福緒唯 生誕祭「フクミュ~異世界はふくおの大好きとともに。~」

感想

福緒唯生誕イベント。
既に6月末をもってグループを卒業することが発表されていたなかでの生誕イベントということで、他のメンバーからするといろいろと思うところもあったようだけど、ふくお本人はそういう素振りはまるで見せていなかった。

「フクミュ ~異世界はふくおの大好きとともに。~」というタイトルの通り、ふくおが脚本と演出を担当したミュージカルである。
直前のリリースイベントで、特典会の合間に「できれば予習しておいてほしいけどネタバレもできないし……」「多分ついて行けない人いるんじゃないかってくらいのことをやる」といった旨のことを話していたふくお。
かくいう私も、女性向けコンテンツ(アイドリッシュセブンとかアイドルマスターside Mとか)は守備範囲外だったので、果たして楽しめるのだろうか、と身構えてしまったのだけども、それは杞憂であった。

異世界に転生したふくお演じる主人公が、転生した先でお花屋さんの娘やお城のお姫様と知り合ったり冒険したり、というよくある王道ストーリー。
ふくおの好きなものをこれでもかと詰め込みながらも、メンバーの個性を活かした配役とキャラづくり。正直に言ってしまえばセットリストの半分以上は知らない曲だったけど、やはり「物語」の力は強かった。曲を知らなくたって、ストーリーの中に組み込んでしまえば、ちゃんと意味は理解できる。それはその曲が持っている本来のコンテクストではないのかもしれないけども、きっと本質はそんなことでは変わったりしないはずなのである。

そしてぐっとくるのが、その「異世界」は、ふくおにとってのA応Pであったという裏のテーマである。
オタクなら誰しもが一度は思うであろう、「異世界に行きたい」という気持ち。
それは単純な憧れからくるものであったり、単純に「現実はクソゲー」という思いからくるものであったりするだろうけど、結局のところ、なんであれ、「現実」とはちゃんと向き合わなければならないわけで、「フクミュ」の主人公は、現実の世界に帰ることを選んだのであった。

ふくおにとって、A応Pはいつか卒業しなければならないもの、であったとのことだけども、やはり声優を目指すという夢のことを考えると、より声優としての活動に専念しやすい環境に移るという選択をせざるを得なかったのだろう。

A応Pのメンバーと過ごした時間は、ふくおにとってきっとかけがえのないものだったのだろうし、この「フクミュ」の公演に向けた準備期間も、きっとふくおにとっては楽しい時間だったのだろうな、というのは、この公演が成功裏のうちに終了したことと、各所から再演を望む声が聞こえることが何よりも証明していると思う。

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