福緒唯 卒業公演

感想

福緒唯卒業公演。

思えば、2月にふくおの卒業が発表されてから6月末の卒業まで、長かったような短かったような、何とも言えない気分であった。
開演前の特典会はいつも通りのノリで、本当に卒業公演なんだろうか、と思うくらい普通に過ごしてしまったけど、今にして思えば、終演後でなくて本当に良かったと思う。泣きすぎてまともに話せなかっただろう、メンバーも、我々ファンも。

セットリストはふくお本人がブログに書いてくれているので https://ameblo.jp/aop-blog/entry-12387121304.html を読んでいただきたい。ひとつひとつの選曲に意味が込められた素敵なセトリであった。
「DT捨テル」ではずっこけてしまったけども、ふくおがどれだけイクサガDTが好きか、というのはよく知っていたので、本当にふくおらしい選曲だったと思う。よくぞまあこれを貫き通したと思うし、自分の卒業公演をこんなネタにしてしまう人はきっとふくおくらいなものであろうな、と。

私としては「はなまるぴっぴはよいこだけ」→「Never Say Never」→「自転車に花は舞う」とふくおの節目にあった曲が連続してエモくなっていたところに、不意打ちで私も好きな曲である「メタメリズム」(伊藤かな恵のカバー)が来てここで早くも涙腺が決壊することに。

アイドルグループの魅力って、メンバー個人だったり、グループ自体だったりが持っているストーリーだったり、メンバーどうしの関係性のなかで、それぞれがさまざまな輝きを放つところにあるのではないかと思っている私なのだけど、ふくおがA応Pの活動を通して様々な色を見せてくれた ―それはひと言でいえば同じ「緑」であったとしても― ことと重なるように思う。

初めてのMV撮影であった「はなまるぴっぴ」のダンスが踊れなくて泣いていたというふくお。
そもそもアイドル文化に疎かったこともあり、ライブや特典会など、活動の何もかもが手さぐりで、戸惑いや辛い日々もあったと正直に話してくれたふくお。
辞めたいと思ったけども、周囲の支えもあってここまでやってこれた、と話すふくおはとてもかっこよく見えた。
「フクミュ」で、「オタクだったから絵が描けるようになって文章が書けるようになって、衣装も作れるようになって……」と話していたふくお。その時に「好き」って気持ちはやっぱり強いなあ、って思っていたけども、ふくおがA応Pを途中であきらめずに済んで、今では笑顔でステージに立てるようになったのも、その「好き」って気持ちの力なのだと思う。

「アニメ"勝手に"応援プロジェクト」であるところのA応Pとして活動するにあたり、「アニメを応援すること」とは何か、と突き詰めたときに、「愛をもって接することである」という答えを見出したとふくおは語っていたけども、この言葉は本当に響いた。
事実、トークイベントでふくおが、私が観たことのないアニメについて、熱くその作品への愛を語っているのを何度も目にして、「あのふくおがそこまで言うなら観てみようか」とその作品の1話を観た、なんてことがあったのだけど、そういう人は私だけではなかったらしい。

自分の「好き」な気持ちに正直で、その熱い「愛」を表現することに対してどこまでもまっすぐだった「オタクとしての福緒唯」は、本当にかっこよかった。
そして翻って私自身が「オタク」としてどうありたいか、そう考えたときに、やはり「好きなものへ、愛をもって接すること」を起点にしたいと、そう思った。
私がふくおに動かされたように、自分もどこかの誰かを動かせるかもしれない、なんていうのは勘違いなのかもしれないけど、私もこうしてインターネットで情報を発信するのであれば、そこに少しでも、好きなものに対する私の思いを込められたらいいな、と。

最後のあいさつで、残るメンバーひとりひとりにメッセージを伝えていったふくお。
本当にメンバーのことをよく見て気にかけているな、と思ったし、ひと言ひと言に熱い想いが込められていたように思う。

そしてファンへ向けた手紙。
内容については本人の真意が曲がって伝わるといけないので詳細は言及しないけど、
最後に全てを本人の言葉で聞くことができて本当に良かったと思う。

私が「A応Pの福緒唯」という存在をちゃんと認識したうえで、A応Pのライブを見られた期間は1年もなかったのだけど、その短い間でもふくおからはたくさんの想いを受け取ったし、少しではあったけどもそれに対してお返しができたと思っている。そして、声優として新たな一歩を踏み出したふくおの前途を祝して、感想の結びとしたい。

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