ワンリルキス ミニライブ&サイン会&握手会

感想

2011年8月、テレビ愛知/AT-X『声優バラエティー SAY!YOU!SAY!ME!』の番組内企画から誕生した声優アイドルユニット「ワンリルキス」。メンバーはまもなく各声優事務所に所属して1年となる新人女性声優4人。これまで、番組の御膝元であり、メンバーが「第2の故郷」と呼ぶ愛知・名古屋を中心に数々の大型イベントのステージなどに立ってきた彼女たちが、満を持して初めての単独イベントを、活動拠点・東京で開催した。

会場となったのは、タワーレコード新宿店7階特設ステージ。フロアの隅にあるスクリーンの横に、膝ほどの高さのある4畳ほどの特設ステージが設置されており、その前には30人程度は悠々収容できる特設のスタンディングスペースが用意されていた。

開店11時と同時に、イベント参加希望者は、1枚~3枚程のCDを手にとり、レジに進む。そこで購入枚数分のイベント参加券を貰い、スタンディングスペースの場所を確保する。ちなみに、ライブ観覧自体はフリー、イベント参加券はその後行われるサイン会と握手会の参加に必要となる。

開店前からのイベント参加待機者は10人弱だったが、次第にスタンディングスペースは埋まり、イベント開始直前にはスタッフからの「一歩ずつ詰めて」コールがかかるほどに観客が集まった。

正午、定刻通りイベント開始。

【Set List】
<1>チョップスティック・ラブ
<2>恋はベンチシート
<3>いつか、『SAY! YOU! SAY! ME!』

各メンバーのイメージカラーに合わせたオリジナルのTシャツに、つなぎの上半身部分を腰に巻いたパンツスタイルで登場したメンバーが歌う1曲目は、最新の3rdシングルより、「チョップスティック・ラブ」。ワンリルキスの特徴である、妥協しないステップワークと全身を使い表現するダンス、そしてこの曲で初挑戦した軽快なラップが心地いい。前回出演したイベントからおよそ半年の日々が経過していたが、日常的にダンスレッスンを続けていた(その後の握手会でメンバーの三上遥香(愛称:みかみん)から伺った内容より)といい、急遽開催5日前に決定したイベントであることを感じさせないステージングの片鱗を、1曲目から魅せつける。

1曲目を踊り切ると、自己紹介。3rdシングルから店頭販売・オンライン販売の両面でCD取り扱いを開始したタワーレコードに対し、改めてメンバーからの感謝が伝えられる一幕もあった。

MCを挟んだ2曲目に披露されたのは、1曲目に披露した3rdシングルのc/w「恋はベンチシート」。80年代に活躍し「ジェニーはご機嫌ななめ」などのヒットで知られるバンド『ジューシィ・フルーツ』の2ndシングルc/wとしてリリースされ、「ジェニー~」に次ぐ代表曲として知られる楽曲のカヴァーである。

この曲の特徴は何と言っても、歌詞の半分近くを占めるセリフ。声優アイドルユニットらしい魅力を引き出せると選曲されたこの曲、もちろんこのセリフ部分はCD版から特にこだわって収録されており、4人のメンバーがそれぞれ異なるキャラクターを演じるようにセリフを読み、歌い上げているが、ライブ版ではその魅力が一層引き立つ。特にリーダーの古木のぞみ(愛称:のんちゃん)は、CD版の色気ある大人の女性風から、ライブでは女王様風のキャラクターにシフトチェンジ。まるで一つのお芝居を観ているかのようなダンスに合わせ、フロア全体にセリフを響かせた。メンバーの森千早都(愛称:ちぃちゃん)・藤村鼓乃美(愛称:ニャー)の所属事務所社長である声優・藤原啓治(愛称:社長)もセリフで参加するこの曲、ラストに流れる藤原社長のセリフに、メンバー全員が耳をすませる振り付けも印象的だった。

そして最後に披露したのは、初のオリジナル楽曲としてリリースされた1stシングル「いつか、『SAY! YOU! SAY! ME!』」。丁度、約1年前にリリースされ、昨年4月末の名古屋・マンモスフリーマーケット2012 Springのステージで初披露されてから10か月余り。当時の初々しさ溢れるステージングから、着実に進化していることを見せつけてくれた。もちろん、専属のコレオグラファーが付き、声優アイドルユニットの挑むダンスとしては非常に難易度の高いダンスは、まだまだ未完成ではある。しかしながら、「完成されたもの」が表現出来ない、「新人」だからこその輝きがあり、それは十分魅力的に私の目には映った。

3曲を歌い切り、最後に4曲目のオリジナル曲となる楽曲が制作進行中であることも発表された約30分のステージは一旦終了。

この後、当日CD購入者を対象としたサイン会とメンバーも初体験という握手会が行われたが、驚いたのは、サイン会のみであるCD1枚購入者は2、3人で、その他の30人以上が全て、メンバー全員との握手も出来るCD2枚以上の購入者であったことだった。約1時間にわたったサイン会・握手会終了後、再び挨拶とプレス用のフォトセッションに立ったメンバー4人の達成感に満ちた笑顔が、これまでの数々のイベントに比べても、一層、印象的に映った。

最後の挨拶でワンリルキス4thシングル発売時の再度のインストアイベント開催を願ったメンバー。ファンの一人として、その日が訪れるのを、心待ちにしたいと思う。

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