ラックライフ 「アオイハル」 Release Tour−何よりも青くあれ−

感想

コロナの感染拡大がはじまった2月頃からイベントやライブがどんどん中止になり始めた。
最後にライブに行けたのは2月末。それすらもギリギリでの開催だった。
そこからぱたりとライブはなくなり、音楽は携帯かテレビかパソコンを通してしか聴けなくなった。
ライブに足を運ぶようになってから、こんなにライブ会場に行かなかったのは人生でも初めてだったので、日常の一部がぽっかりとなくなったこの状況に戸惑いしかなかった。

そんな日々が続いてから7か月ぶりにライブ会場へと足を踏み入れることができた感動は言葉に言い表せないもので、この胸がカッと熱くなる想いは生涯忘れることはないだろう。

会場内の座席には1席ごとにラックライフのアー写に「ここには座らんといてー!」という大阪高槻出身バンドである彼ららしい言葉が書かれた貼り紙に思わず笑みがこぼれる。
普段なら1300のキャパも完売するが平日の夜ということを差し引いても客席はまばら。
その状況に少し寂しくも思うが、今回はネットの向こうも会場なのでやむなし。

サウンドチェックのスピーカーから流れてくる音の振動に鳥肌がたった。
「あぁライブ会場にいるんだ・・・」という当たり前の感覚に涙があふれそうだった。

暗転

メンバーがステージにいる。
目の前にいる。
ドラムの音圧を全身に感じ、そこにギター、ベース、そしてボーカルの音が乗る。
涙が溢れた。
音楽が日常に帰ってきた瞬間だった。

ライブで人と人の繋がりをなによりも大事にしているラックライフにとって自粛期間は苦しい時間だった。
予定したライブが全部なくなり、音楽はテレビ、ラジオからしか流れない。
テレビをつけて流れてくる音楽に自分たちの音楽が何でないんだろう。
そこまで行けてない自分達が悪かったのかな。
音楽やっている意味あるのかな。
とボーカルのPONくんは涙ながらに語った。

そんなことないよ、と言いたくても言葉にできなかった。
その言葉に観客である私たちにとっても自粛期間は辛い時期だったが、
本人たちの苦しみはその比ではないことがその言葉から手に取るようにわかるからこそ何も言えなかった。

それでも今目の前にいて想いを言葉に乗せて、音に乗せて届けてくれることが私は本当にうれしかった。
何もやる気が起きなくなって予定がなくなった休みの日に何をしたらいいかわからなかった日々が終わったような気がした。
これからどうなるかまだ分からないながらも、この日感じたことが確実に私の希望になった。
いつかまた前のように目と目を合わせて、泣き笑いながら、汗だくになってライブを終える日が来るんだと思う。
そう感じることができるライブだった。

本当に開催してくれた関係者各位には感謝しかない。

最後に、これからまだしばらくマスクありでのライブが続くと思われるが、
ピッタマスクのような息がしやすいマスクで参戦することをお勧めする。

連番者ともども布マスクで酸欠になった者より。

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